僕は読書が好きだ。
けれども読んだ内容が理解できずに途中で投げ出し、そして積読の山が高くなるという時期がしばらくあった。
どうすれば理解できるのか。理解したことを身につけるには、どうしたらいいのか。確固たる読書法が身についている訳ではない。しかし、長年の試行錯誤の中で、いつの間にか身についた読み方がある。
読んで書く。それを上手くやるために道具を使う。
今日はそんな方法をご紹介しようと思います。
読書は、線を引くところから始まる
僕は本を読むときに必ず色鉛筆を手に取る。使っているのは”ダーマトグラフ”という色鉛筆。というよりもクレヨンに近い。だから少し”ペトペト”する。
それがかえって、鉛筆で書くよりも紙面を傷めずに済む。そして蛍光ペンとは違った、柔らかい色合いがとても目に優しい。
ダーマトグラフを使って、何をやるかというと、読んでいて「ん?」と感じた箇所に線を引く。気になった一文、違和感を覚えた言葉、なぜか目が止まった箇所。

これは「理解」ではない。もっと手前の行為で”反応する”感覚だろう。だから理由は考えない。とにかく線を引く。線を引いた時点ではそれは本の中にある”一次情報”だ。
だから次に、手帳にメモを取る必要がある。それではプロッターM5にご登場いただこう。
プロッターM5|思考は小さな入口からはじまる
プロッターM5のサイズ感は、ご覧の通りとても小さい。

だから書ける文字数も限られている。しかしこの制約が、読書メモにはちょうどいい。
やり方はいたってシンプル。
本に引いたアンダーラインから、キーワードだけを拾う。一語か、短いフレーズ。文にしない。評価もしない。ここで大切なのは、意味を「作らない」「考えない」ことだ。

大きなノートを使うと人はつい「考えたふり」をしてしまう。しかしM5の狭い紙面はそれが許されない。未完成な反応を、未完成のまま置いておく。
この”拾うだけ”の感覚については、プロッターM5サイズを”思考の入口”とした記事に、詳しく書いている。ちなみにこの記事、僕のサイトで最も読まれています(累計489PV:※2025年12月22日現在)
プロッターバイブル|言葉がはじめて文になる
次に使うのが、バイブルサイズだ。ここでは、M5で拾った言葉を20文字ほどの一文にする。主語と述語を入れる。それだけでいい。ときには短いパラグラフを丸写ししたりもする。

なぜ気になったのか。どこに引っかかったのか。問いの輪郭が、少しずつ見えてくる。この段階でも、結論は不要だ。ただ、言葉同士の関係を確かめる。
断片だった言葉が、ここで一本の線になる。断片を一文にする作業は、僕にとってプロッターバイブルの一番の役割でもある。
しかし、本から拾った言葉はまだ完全に自分のものではない。それでも自分の文章として立ち上がり始める。
プロッターA5|考えをしばらく滞在させる場所
A5サイズでは、もう少し腰を据える。文字数は100字程度。1段落まとめて書き抜いて、それをしばらく眺めることもある。
そして自分なりの考えを書く。共感した理由。もちろん反論でも、過去の経験と結びつけてもいい。それに”これ”といった型はなく、自分しか読まないので無理にまとめる必要もない。

だからプロッターA5は、答えを出すためのノートではない。
考えに居場所を与えるためのノートだ。
M5やバイブルとの往復を繰り返し、そして立ち止まる。その時間が読書を単なる情報摂取から引き離してくれる。するとやがて知識という名の織物が紡がれたのに気が付くのだ。
読書と手帳が結びつく瞬間
この一連の流れを繰り返すと、本の理解度は、確実に上がる。それは「たくさん書いたから」ではない。
- 反応する
- 断片化する
- 文にする
- 滞在する
文字量を段階的に増やしながら、他人の言葉を、自分の言葉へと変換しているからだ。
読書と手帳は、相性がいいのではない。手帳を通すことで、読書がはじめて成立する。
色鉛筆で入力、手帳へ出力。
本の情報はその過程を通り抜けながら、ゆっくり”知識へと生成”されていくのだろう。この作業をこれから、もっともっと磨き上げていきたい。
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