柔らかい色合いが素敵です──ダーマトグラフのすすめ

ブログ記事「柔らかい色合いが素敵です──ダーマトグラフのすすめ」のアイキャッチ画像 万年筆・ボールペン
ブログ記事「柔らかい色合いが素敵です──ダーマトグラフのすすめ」のアイキャッチ画像。ダマートグラフ12色セットの写真を添えた。色鉛筆で描いたハートマークがアクセント。

はじめに

「蛍光ペンは万年筆には合わないなぁ」──以前から、そんなことを感じていました。

日付を赤で書くのは良いとしても、仕事中のメモで「ここ大事」「あとで確認」と色を変えるのは、意外と手間がかかります。でも、後から見直したときに大事な箇所を囲った、赤の発色が目に飛び込んでくる。そして、思考が整理される。

しかし蛍光ペンは少しギラついてうるさい感じがするし、万年筆の筆跡と接触すると滲んで汚くなる。それじゃ一体、何で色をつけたらいいか?

そんな悩みを解決してくれたのが、今回ご紹介する「ダーマトグラフ」という筆記具でした。

ダーマトグラフ「あか」「みどり」「あいいろ」常用の3色。
ダーマトグラフ「あか」「みどり」「あいいろ」常用の3色。手帳やノートに基本のRGBカラーが追加されるだけで、情報の解像度は格段にアップする。

ダーマトグラフとは?

ダーマトグラフは、芯を紙巻きで包んだ色鉛筆のような筆記具。三菱鉛筆をはじめとするメーカーが古くから製造しており「紙巻き色鉛筆」や「グリースペンシル」と呼ばれることもあります。

ダーマトグラフ常用3色。芯のすり減り具合がこの写真からわかる。「あか」の使用頻度は高い。
ダーマトグラフ常用3色。芯のすり減り具合がこの写真からわかる。「あか」の使用頻度は高い。

見た目は素朴ですが、その用途は広く、ガラス・金属・プラスチック・写真フィルムなど、ほとんどの素材に書ける万能選手。

「くるくる回して」紙をむき芯を出す仕組みも独特で、どこか懐かしい手仕事の感覚を残しています。

ダーマトグラフ「あいいろ」の芯出しをしているところ。
ダーマトグラフ「あいいろ」の芯出しをしているところ。芯を巻いているのは「紙」である。色を縦に引っ張り、くるくる回していると新しい芯が現れる。

ダーマトグラフの魅力と楽しみ方

前述した通り、削らなくていい。どこでも書ける。──それがダーマトグラフのいちばんの魅力です。

手帳やノートに少し色を添えたいとき、カラーリングで気分を変えたいとき。そんなとき、ダーマトグラフは絶妙にフィットします。万年筆インクの隣で“差し色”として活躍してくれる存在です。

発色はやわらかく、どこか温もりがある。蛍光ペンのように主張しすぎず、それでいてしっかりと視線を誘導してくれる。レトロな紙巻きデザインも手に取るたびに気分が上がります。

私は赤で「今日の予定」、あいいろは「MEMO」、グリーンは「カード利用」を四角く囲っています。インクと紙の境界を軽やかに越えていける、そんな“遊び心”のある一本です。

ダーマトグラフでデイリーページをカラーリング
ダーマトグラフでデイリーページをカラーリング。重要度の高い「アポイント」は「今日の予定」として「あか」で囲む。

また、読書の際のラインマーカーにもダーマトグラフの優しい「色調」はピッタリです。

ダーマトグラフは読書でも活躍する。あかで重要部分にアンダーライン。
ダーマトグラフは読書でも活躍する。あかで重要部分にアンダーライン。あとで見返したとき、ページを開いた瞬間に目に飛び込んでくる。

おわりに──手帳にひとさじの自由を

ダーマトグラフを使うようになってから、手帳に「ちょっとした余白の楽しさ」が生まれました。

きっちり書くことだけが大事じゃない。ときには、線を曖昧に、色を柔らかくすることで、思考の呼吸が整うこともあるのです。

蛍光ペンほど強くない。でも鉛筆より優しい。

ダーマトグラフ12色セット。好きすぎて買ってしまった。
ダーマトグラフ12色セット。好きすぎて買ってしまった。基本「RGB」以外のカラーの使い方も考えていきたい。

その中間にある曖昧さこそが、日々のノートにちょうどいい。

無味乾燥となりがちな「スケジュール帳」に、ほんの少し色味をつけ足す。そんなとき、ダーマトグラフはきっと役に立ちますよ。

あわせて読みたい

コメント