はじめに
僕がプロッターM5を買ったのは、たしか2ヶ月ほど前だったと思う。
手帳やノート類は、これまでにもいろいろ使ってきたけれど、M5にはどこか“道具感”があって、最初はちょっと気合いを入れて使おうと思っていた。
──が、正直に言えば、購入直後はそこまで活躍の場がなかった。
それが急に変わったのは、ブログを本格的に書き始めてからだ。アイデアが浮かぶタイミングというのは、本当に読めない。
朝の出勤途中、車の中でふと思いつくこともあれば、夜中に寝転がっているときに頭にひらめくこともある。そんなとき、M5が手元にあるかどうかで、アイデアが「残るか」「消えるか」が分かれるのだ。
なぜ、スマホではなくM5なのか
スマホのメモアプリも試したことはある。というか、何度も使ってきた。
だけど、僕にはどうも馴染まなかった。
アプリを立ち上げて、文字入力をして──その一連の流れが、どこか“思考の流れを遮ってくる”感じがしてしまう。それに、スマホは何でもできすぎるから、他の通知やSNSに気を取られてしまうことも多い。
その点、M5は“書くことしかできない”。
いや、それがむしろいい。
たとえば、寝る前にふと思いついたアイデア。
「あ、これ記事にできそうだな」と思った瞬間、M5を取り出して、ペンでサッとキーワードだけ書き留めておく。
ただそれだけの行為なのに、不思議と安心する。
思考の断片をどこかに預けたような気持ちになるのだ。
M5のサイズ感と、僕の使い方

プロッターM5の一番の強みは、その“絶妙なサイズ”にあると思う。
一般的な手帳やノートと違って、M5はポケットに入る。
ズボンのポケットにも、通勤用のデイバッグのサイドポケットにもスッと収まる。
しかも、リング径が小さいから厚みも出ない。だからこそ、僕は寝るときも枕元に置いている。

使い方はシンプルで、「思いついたらすぐ書く」。
キーワード単位でもいい。むしろ、キーワードでしか書かない。
「noteの構成案」「ブログの冒頭の言葉」「なぜ最近“書けなくなる”のか?という感覚」──
そういう曖昧な、でも確かに残しておきたい思考の“かけら”を、1枚1ワードで書き留める。
あとから見返すと、意外と文章のきっかけになる。
それどころか、時間が経った分だけ、自分の中で熟成していたのか、
まるで“未来の自分が答え合わせをする”ように、そこから文章が湧き出すことがある。
そういうことがあるから、僕は今日もこの小さなM5を持ち歩いている。
M5は「言葉の一時保管庫」──未来の自分への引き渡し

僕にとってM5は、単なるメモ帳ではない。それは、書いたその瞬間に意味を持つというよりも、「あとで読み返すことで、再び息を吹き返す言葉」を保管してくれる場所だ。
つまり、言葉の一時保管庫。
この“書いた言葉が熟成する感覚”は、紙で書くからこそ得られるものだと思っている。
デジタルだと、情報がきれいに整いすぎてしまう。
その点、M5のリフィルには文字の太さ、書いた時のスピード、筆圧──そういう“温度”が残る。
その温度が、過去の自分と今の自分をつないでくれる。
書くことは、考え続けること
僕は今、50代を目前にして、これからの働き方、生き方を真剣に考えている。
このブログもその一環として始めた。
その中で、言葉というものと改めて向き合うようになった。
書くことは、過去の自分と未来の自分をつなぐ“思考の記録”だと思う。
そしてM5は、その記録の「入口」として、僕の日常にしっかりと組み込まれている。
まだまだ使い方は発展途上だけれど、だからこそおもしろい。
どんな言葉が、どんなタイミングで浮かんでくるのか。
それを、逃さずに拾い上げる準備だけは、常にしておきたい。
まとめ:手帳ではなく“相棒”
プロッターM5は、ただの文具じゃない。
「今の自分が感じていること」を、“あとで思い出せる”かたちに変えるための相棒だ。
それも、文字通りいつもポケットに入れておける、まさに心強い相棒。
大げさに聞こえるかもしれないけれど、僕にとってはM5がなかったら、
今こうしてブログを書き続けられていないと思う。
きっとこの先も、何冊目かのリフィルをめくりながら、
新しい自分の言葉と出会っていくんだと思う。
だから、これからもよろしく頼むよ。プロッター君!
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<ハスヌマゴロー(蓮沼五朗)発信のnoteから>
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