直感を信じて向かった“PLOTTER TOKYO”
人は時に、言葉よりも先に「行かねばならない場所」を察知することがあります。
PLOTTER TOKYOへ向かったこの日も、まさにそれでした。2冊目のバイブルサイズが欲しい──そんな表面的な理由を越えて、どこかで“未来の思考に触れに行く”という感覚が、背中を押していたのだと思います。
そんな心持ちのまま、竹尾 見本帖本店で裁断を依頼していたバイブルサイズの「風光」を受け取る。白の静謐さに触れた瞬間、紙と手帳がこの日のうちに一本の線でつながる予感がありました。
紙の繊細な緊張感を握りしめ、僕はそのまま神宮前へと向かいました。紙と手帳──ふたつの道具が、今日ひとつの“未来の思考”を形づくるのだと、どこかで分かっていたのです。
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店に足を踏み入れた瞬間の“緊張感と温度”
曇り空の日、エントランスに掲げられた真鍮のプレートが放つわずかな輝き。その一歩手前で、すでにPLOTTERの世界観は始まっていました。


扉を開けた瞬間に感じたのは、驚くほど整った空気。物量に頼らず、過剰な演出もない。ただ、すべての道具が「そこにあるべき位置」に収まっている。雑味のない、美しい緊張をたたえた空間でした。


温度は冷たさではなく、凛とした集中。アトリエのようであり、ギャラリーのようでもある。写真に映る暖色のトーンが、この場所に漂う“気配”をそのまま写し取っているようです。
紙・革・金具──PLOTTERに宿る“物語”
棚に並ぶ手帳は、単なる文具ではありません。紙にも革にも金具にも、それぞれが歩んできた時間が宿り、道具である前に“物語を持った存在”として立っています。

PLOTTERの手帳は、紙を挟めばノートになり、革を纏えば道具になる──それだけでは終わらない。そこには「ここから始まる物語の一部になる覚悟」がある。紙・革・金具が、未来の時間に寄り添う準備を整えて、静かに佇んでいました。
なぜネイビーを選んだのか──思考に深く潜るための色
ネイビーは控えめでありながら、深さでは群を抜く色です。黒ほど硬くなく、茶ほど柔らかくもない。静かな重力を持ち、思考を深く沈めるように支えてくれる。

今回求めていたのは、ただ使いやすい手帳ではなく、これからの思考の深度を支える“器”でした。ネイビーの静謐な佇まいが、その役割を果たすと直感したのです。
スタッフとの対話が教えてくれた、“迎えるという行為”
対応してくださったスタッフの眼差しには、単なる接客を超えた「道具を送り出す責任」が宿っていました。用途や背景を丁寧に聞き取り、必要な情報だけを過不足なく返してくださる。
そこで気づいたのは、“買う場とは、商品を迎える場である”ということ。商品を語るのではなく、ユーザーの未来の時間に寄り添う姿勢こそ、ブランドの思想が現れる瞬間です。
思わず「PLOTTERさんとお仕事をご一緒したいですね」と口にしたのは、半分冗談ではなく、本心からでした。
開封して分かる静謐な美しさ
帰宅後、包みを開いた瞬間に広がったのは、店内で感じた緊張が静かにほどけていくような感覚でした。革の温度、リングの光、紙の白──それぞれが調和し、道具としての存在感を放っています。

とくに最初の一枚をめくる瞬間は格別です。まだ何も書かれていないのに、すでに無限の可能性を秘めている。道具がこちらの覚悟をそっと試してくるような、美しい緊張がありました。
THINK INK NOW × PLOTTER──世界観の共鳴
THINK INK NOW が追ってきたのは、「書くことで未来をひらく」という営みです。PLOTTERは、その思想を“物として”具現化しているブランドだと強く感じました。
紙と筆記具、そして思考。その三者の関係性を深めることを美学として掲げてきた点で、両者は驚くほど共鳴しています。今回の訪問はTHINK INK NOW と PLOTTERの間に、目には見えない”虹”が架かるような象徴的な体験でした。

おわりに──「お前はここに何を書く?」
深夜、開封を終えリフィルを眺めていると、ふと手帳が囁いたような気がしました。
「さて、お前はここに何を書く?」 「いや──お前はここに何が書ける?」

広がった思考領域をどう使うかは、自分次第。道具が投げてくる問いは、そのまま人生の問いでもある。でもここにはまだ未来は書かれていません。ですがその未来を受け止めるための“器”を、今日たしかに手に入れました。

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