体感気温は35度を超えていたと思うんです。汗が止めどなく噴き出す猛暑の中、なぜ僕は神保町を歩いていたのか?──理由は「本物の紙に触れたかった」これに尽きます。
竹尾 見本帖本店で開催中の企画展「Takeo Paper School」では、紙の“現在”だけでなく、“はじまり”にも触れられる展示が行われていました。この日、僕はそこで“紙以前の記録メディア”に出会い、思っていた以上の体験と気づきを持ち帰ることが出来ました。

今回はそんな想いをのせて綴ってまいります。
”紙の歴史を知る”ことで、書くことはもっと面白くなる

見本帖本店2階の展示スペースでは「紙の歴史」「紙が出来るまで」に焦点を当てた「Takeo Paper School」が開催中でした。
展示には、パピルス・羊皮紙・竹簡など、紙以前の記録素材のレプリカがずらり。

いずれも職人の手で丁寧に再現されたもので、実際に手に取って触れる貴重な体験をしました。本で読んでいたので知識としてはあったけど、そこへ触感が加わり理解度が”グッ”と増した実感があります。

もうひとつ印象的だったのが、古代中国で使われていた竹簡。糸で束ねられた木簡には、筆で記された細かな文字が並び、紙以前の「文字を記録する工夫」のイメージが鮮明になりました。けれども、持ち運びには難ありだなー。紙はすげーや!」と改めて感じましたね。

紙は人類が生み出した偉大なる発明品。そして、文化と技術の時間の積層が作った「最高最大のメディア」ある──展示を見終えて、そんな想いが思い浮かびました。
今日の戦利品と、これからの紙選び


せっかく見本帖本店に訪問したので紙以外にも戦利品になるものはないかと探していたところ、「PACKAGING」との美しい装丁の展示が目に止まり、スタッフさんに尋ねると過去の展示会の図録とのこと。
2冊構成の「パート2」には様々なパッケージデザインが収録されてました。ものすごくハイセンスな内容で、“これは買いだ!”と購入を決めました。
そして見本帖本店に来たら「紙を買わねば買えられへん」と、気になっていたライティングペーパーを購入しまいした。


購入した紙はコンケラー・ウーブ N/オイスター。色はクリームがかった白。さらりとした手触りながら、パイロット 743 Mニブの豊富なインクフローもしっかりと受け止めめ、染み込むけど滲まないを見事に両立されていました。ペン先を当てた感じは、若干「ザラザラ」とした質感ながら、万年筆筆記ではカリカリ感がなく、滑らかな書き心地にストレスを感じません。

今後は「ポスタルコ スナップパッド」へ差し込み、ブログ見出しの書き出しに使うつもり。とくにブログの見出しは直接手書きすると、アイデアがよく練れると思っています。
おわりに
書くにこだわると筆記具にこだわり、やがてノートにこだわり、究極は「紙へのこだわり」へと進んでまいりまいした。ライディングペーパーを選ぶとは、自分の表現方法を選ぶこと。
とくに「無地のA4用紙」はアイデアの質に直結する大事なアイテム。最近は紙を目の前に置き、筆記具を手にすると、良いアイデアが生まれる感覚が芽生え始めた。
そんな“書くこと”への意識が変わる過程での「竹尾 見本帖本店」の訪問は書くことへの強度が増した画期的な体験でした。
紙は想いを語る。いや”良質な紙”が誰かに語りたい、自分の想いを引き出してくれた──そんな体験が、ここにはありました。今回の体験を、ぜひあなたも味わってみてはいかがでしょうか?
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