はじめに
ボールペンは”0.5mm”のペン先一般的。万年筆でいうと、細字や極細字(F・EF)でしょうか?
そんな細字ニブの万年筆しか使ったことがない人にこそ、“Mニブ”をオススメしたい。なぜならそこには、書くことの「快楽」があるからなんです。
そんな想いをお伝えしたく、今回はパイロットのカスタム743とペリカンのM800──ともに中字(Mニブ)を搭載したモデルを使い、その書き味の徹底的レビューをお届けいたしましょう。
使用した万年筆
・ペリカン スーベレーン M800(Mニブ)
・パイロット カスタム 743 (Mニブ)
2本は見た目の重厚感こそ似ていますが、書き味はまったく異なります。以下でその違いをご紹介しましょう。

筆跡比較:線の表情に注目
下の写真をご覧ください。同じ紙に同じ文章を書いていますが、字の表情に違いがあるのが分かるでしょうか?

・パイロット 743は、やや細めでペンのハドリングが容易。漢字に適した繊細な線を描けます。
・ペリカン M800は、インクフローが良く、紙の上を“滑る”ような心地よさがあります。
両者ともに共通しているのは、筆圧をかけずに書いても、しっかりした線が書けるということ。非力で筆圧が低い人にぴったりです。
インクでも変わる書き味
今回は使用したインクは以下2種類のインクを使用しました。
・PILOT 色彩雫 朝顔(asa-gao)
・Pelikan 4001 ロイヤルブルー(Königsblau)

朝顔はやや赤みがあり、感情のニュアンスを含んだ青。ロイヤルブルーは王道でクラシックな印象。この2色の違いも、筆記の体験に微細な変化をもたらします。
インクにまつわる”note”のご案内
”インクの色。それは一つの感情表現である”ー漱石作品からヒントを得て、インクと感情表現の関係を記事に書いています。今回の記事と、あわせてご覧ください。
🔗インクは、感情の色をしている──文学と文具の静かな交差点
(THINK INK NOW主宰:ハスヌマゴローのnote)
書いてみて実感したこと
万年筆で書く──といっても、Mニブには「滑る」という感覚があります。それはもう、筆記というよりも“走る”に近い。どちらかというと、筆記具ではなく「道具」感があります。特にM800のフローは気持ちよすぎて、手が止まりませんでした。
そんなMニブを日記やジャーナリングで味わって欲しい。自分の気持ちや思考を「より自由に」「よりしなやかに」「より鮮やかに」書くことで、万年筆での筆記自体が癒しになっていくはずです。


Mニブで書くという体験は、単なる万年筆レビューでは語り尽くせません。むしろそれは、書くという行為の奥行きを味わうための「扉」のようなものかもしれません。
ゆっくりと書くことを味わう。
今宵もまた、このペンで──。
関連リンク
文具情報発信サイト「THINK INK NOW」では、万年筆レビュー、書く習慣についての記事を多数ご用意しております。下記👇リンクから、ぜひお立ち寄りください。
🔗カスタムURUSHI徹底レビュー|パイロット最高峰万年筆 30号ニブと漆軸の書き味とは?
🔗エグゼクティヴの机上にふさわしい逸品──ペリカン スーベレーン M800 レビュー
🔗“書く習慣”カテゴリー記事一覧
note版スピンオフエッセイ
この記事を書いている際に、思い浮かんだ想いをnoteにまとめました。”スピンオフエッセイ”と勝手に言ってます(笑。
こちらも、よろしかったらどうぞ。
🔗Mニブで書く──その“滑り”が気持ちいい理由を書きましょうか。
(THINK INK NOW主宰:ハスヌマゴローのnote)
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