前回の記事ではブックレビューの本質を、
- その本を買いたくなる
- その本を読んだ気にさせる
という2つの機能だと申し上げ、そしてレビューは、著者・出版社・読者の間の「架け橋」であると結びました。
ではここで、あえて核心に踏み込みます。その橋は、本当に渡れるものになっているでしょうか。
Webメディアの中には、
なんとなく本の雰囲気は分かるけれど、
結局このレビューは何が言いたいの?
そう感じてしまう文章が少なくありません。これは書き手の表現力だけの問題ではなく、論旨の設計そのものが曖昧であることに起因します。
“引用だけ”では価値は届かない
引用は文章を支える大切な材料ですが、それは本筋の根拠として配置された場合に限られます。理解や解釈が伴わない引用は、ただの切り貼りになってしまう。
つまり、書き手の思考を通過しない言葉は、読者に届く前に意味を失ってしまうのです。
日記は、「自分がどう感じたか」を書く場所です。一方レビューは、読者の意思決定に寄与する文章です。
この違いを見失うと、
自分の感情表現ができれば成立する
→ だから結論も必要ない
という誤解が生まれてしまう。
しかしそれでは、レビューの役割は十分に果たされません。
読者は常に「意味の出口」を探している
読者は文章を読みながら、無意識にこう問い続けます。
で、この話は最後に、何につながるの?
この問いに対して、一本の導線で出口まで伴走できるかどうか。
ここにレビューの明暗は分かれます。
構造が弱い=価値が溶ける
どれだけ鋭い観察が盛り込まれていても、論旨が一本化されていない文章では、
- 印象的な言葉
- 一見深そうな引用
- 言い得て妙なフレーズ
「めっちゃ共感」「分かりみ過ぎる」など、印象的な言葉をどれだけ駆使しようと、これらが点として散らばるだけです。それでは文章としての価値は溶けて、読者の手には残らない。
つまり、こんな数式の現象です。
書き手の理解 ≠ 読者へ届く文章
これは、大変悲しいことです。
だからレビューには「意味の骨格」が必要になる
ブックレビューとは、読書という知的体験を、まだ手にしていない人へ橋渡しする文章でした。
であるならば、
- 何を伝えたいのか
- なぜそれが重要なのか
- その文章から何を得るのか
これらを支える一本の背骨が必要です。
ではその“骨格”とは何か?
レビューを貫く一本の背骨
それは次回の、
良いレビューの3つの柱
▶️最低限、これは外せない
というテーマが示すとおりです。
三つの柱を先に申し上げると、
- 何が書かれている本か
- この本が持つ価値は何か
- 読者は何を得られるのか
ブックレビューの設計図として、いよいよ具体論に踏み込んでいきます。
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