【THINK INK NOW ブックレビュー論】第3回:論旨が曖昧なレビューが「機能」しない理由

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THINK INK NOWブックレビュー論・第3回「論旨が曖昧なレビューが『機能』しない理由」──レビューは“意味の出口”まで伴走できているかを問い直します。

前回の記事ではブックレビューの本質を、

  • その本を買いたくなる
  • その本を読んだ気にさせる

という2つの機能だと申し上げ、そしてレビューは、著者・出版社・読者の間の「架け橋」であると結びました。

ではここで、あえて核心に踏み込みます。その橋は、本当に渡れるものになっているでしょうか。

Webメディアの中には、

そう感じてしまう文章が少なくありません。これは書き手の表現力だけの問題ではなく、論旨の設計そのものが曖昧であることに起因します。

“引用だけ”では価値は届かない

引用は文章を支える大切な材料ですが、それは本筋の根拠として配置された場合に限られます。理解や解釈が伴わない引用は、ただの切り貼りになってしまう。

つまり、書き手の思考を通過しない言葉は、読者に届く前に意味を失ってしまうのです。

日記は、「自分がどう感じたか」を書く場所です。一方レビューは、読者の意思決定に寄与する文章です。

この違いを見失うと、

自分の感情表現ができれば成立する
→ だから結論も必要ない

という誤解が生まれてしまう。

しかしそれでは、レビューの役割は十分に果たされません。

読者は常に「意味の出口」を探している

読者は文章を読みながら、無意識にこう問い続けます。

この問いに対して、一本の導線で出口まで伴走できるかどうか。

ここにレビューの明暗は分かれます。

構造が弱い=価値が溶ける

どれだけ鋭い観察が盛り込まれていても、論旨が一本化されていない文章では、

  • 印象的な言葉
  • 一見深そうな引用
  • 言い得て妙なフレーズ

「めっちゃ共感」「分かりみ過ぎる」など、印象的な言葉をどれだけ駆使しようと、これらが点として散らばるだけです。それでは文章としての価値は溶けて、読者の手には残らない。

つまり、こんな数式の現象です。

これは、大変悲しいことです。

だからレビューには「意味の骨格」が必要になる

ブックレビューとは、読書という知的体験を、まだ手にしていない人へ橋渡しする文章でした。

であるならば、

  • 何を伝えたいのか
  • なぜそれが重要なのか
  • その文章から何を得るのか

これらを支える一本の背骨が必要です。

ではその“骨格”とは何か?

レビューを貫く一本の背骨

それは次回の、

良いレビューの3つの柱
▶️最低限、これは外せない

というテーマが示すとおりです。

三つの柱を先に申し上げると、

  • 何が書かれている本か
  • この本が持つ価値は何か
  • 読者は何を得られるのか

ブックレビューの設計図として、いよいよ具体論に踏み込んでいきます。

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