【THINK INK NOW BOOKs】僕が無理をしないと決めた日 ──『体力がない人の仕事の戦略』詳細レビュー

体力がない人の仕事の戦略レビューアイキャッチ|和田秀樹著・クロスメディアパブリッシング|僕が無理をしないと決めた日 ブックレビュー
足に不安を抱える僕が、本気で向き合った一冊 ── 『体力がない人の仕事の戦略』詳細レビュー。

はじめに──僕は体力に自信がない

僕は体力に自信がない。脚が不自由で、長時間立っていることができない。

40代半ばを過ぎてから、ぎっくり腰と首痛を繰り返すようになった。受け口の顎関節変形が原因ではないかと手術も受けたが、結果は思うようにいかなかった。そしていまでは左膝の故障も重なり、ステッキを使って歩いている。

東京駅など大きなターミナル駅の乗り換えは、それだけでひと苦労。朝8時から夕方5時までのデスクワークも、正直きつい。残業が月に10時間を超えると、足腰が悲鳴を上げる。

それでも、僕はこう思っていた。

「これくらい普通だ」
「無理できないのは甘えだ」
「社会人なんだから当たり前だ」

そんなときに出会った書籍が『体力がない人の仕事の戦略』(和田秀樹著/クロスメディア·パブリッシング)だった。

タイトルを見た瞬間、こう思った。「俺が読まなきゃ誰が読むのだ」と。

『体力がない人の仕事の戦略』(和田秀樹著/クロスメディア・パブリッシング)のブックカバー写真
『体力がない人の仕事の戦略』(和田秀樹著/クロスメディア・パブリッシング)

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読了した今、はっきり言える。これは根性論の本ではない。“戦略的に無理を減らすため”の本だった。


努力とは無理ではなかった

僕はずっと「努力」とは「無理」をすることだと思っていた。

僕たちは、努力という言葉を、いつの間にか“消耗”と結びつけている。

  • 断らないこと
  • 長時間働くこと
  • 限界までやること
  • 体調を犠牲にすること

それを努力だと思ってきた。

しかし本書は、努力とは本来“成果を出すための工夫”であり、消耗することではないと語る。無理を重ねることは、戦略ではない。ただの設計ミスだ。

この視点は大きかった。

体力がない自分は、努力不足なのではなく、戦略を持たずに働いていただけなのではないか。そう考えられるようになった。


勝ち負け思考を捨てる

本書のもう一つの柱は「勝ち負け思考」を捨てることだ。会社という場は、気づかぬうちに戦場になる。

  • 昇進を争う
  • 評価で上回る
  • 残業時間を誇る
  • 同期より成果を出す

この構図に入った瞬間、無理は増える。だが、本書はこう示唆する。

「戦わない戦略もある」

勝ち続けることを目標にすると、体力のある人に合わせた設計になる。体力に限界があるなら、そもそも勝ち負けの土俵に乗らないという選択肢もある。

これは敗北ではない。設計変更なのだ。


合格点でいい

僕に一番刺さったのはここだった。

「合格点でいい。」

100点満点を取りに行く働き方は体力を削る。60点で十分な場面は、実は多い。完璧主義は、無理の温床だ。

僕は体力がないのに、100点を目指す働き方をしていた。だから消耗した。合格点で止めることは、手を抜くことではない。

それは、心と体を守るための戦略だ。


戦略で働くという選択

本書が一貫しているのは、「感情ではなく戦略で働く」という姿勢だ。

  • 優先順位を明確にする
  • 自分の体調を把握する
  • 無理が増える構造を避ける
  • 不安や心配を「見える化」する

これは弱者の発想ではない。合理の発想だ。無理をしないのではなく、無理を“減らす”仕事の構造設計をする。そのために戦略を持つのが大事だと説いている。

ここに、本書の核心がある。


おわりに──体力の問題ではなく“意識の問題” だ

読み終えて思った。

この本は体力の問題ではなく、意識の問題である。

体力に自信がなくても働ける。

問題は働き方なのだ。

都会にこだわる必要はあるのか。大企業である必要はあるのか。年齢や扶養家族を理由に変われないと思い込んでいないか。

変えるのではない。進化させると考えれば抵抗感は少なくなる。働き方は、修正可能なのだ。無理を続ける設計から、無理を減らす設計へ、と。

この本は「頑張れ」とは言わない。「無理をしろ」とも言わない。

ただ、問いを投げかける。

あなたの働き方は、戦略的か?無理を続ける前に、この本を手に取り“働き方の構造設計”を見直してみてほしい。

正しい戦略があれば、無理は減らせる。そう信じられるだけでも、働き方は少し変わる。働き方が変われば、生き方が変わる。

僕は無理を減らす設計に少しずつ舵を切り始めている。


謝意

今回レビューしました書籍『体力がない人の仕事の戦略』(和田秀樹著)は、参加中のプロジェクト「ツナグ図書館」を通じて、出版社「クロスメディア・パブリッシング様」よりご恵贈いただきました。

この場を借りて厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。


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