はじめに──定年が現実になる50代で
50代という年齢は、不思議な節目である。
仕事もひと通り経験し、会社での役割もある程度固まってきた。その反面、サラリーマン的成功の限界も見えてきた。そして「定年」という言葉が、具体的な予定として視界に入ってくる年代でもある。
にもかかわらず、多くの人はその先の人生を、驚くほど具体的なイメージを持っていないのではないだろうか。
そんな問題を抱える50代のための本『50代からの人生をマネジメントするドラッカーの問い』(鵫巣和徳著/ソシム)を先日読了した。

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この書籍は50代に向けて「どう生きるか」「どう生きたいか」を真正面から問い返してくる内容だった。
イメージできなければ、行動できない
本書を読んで強く印象に残ったのは「定年後のイメージが出来ていなければ、行動は出来ない」という、ごく当たり前でありながら、多くの人が見て見ぬふりをしている事実。
定年後の生活を具体的に想像しないまま迎えた結果、いわゆる濡れ落ち葉となり「社会との接点を喪失した状態」になってしまう。定年後に朝酒がたたりアルコール依存症?──それは決して他人事ではない感じがする。
著者は、自身の経験を踏まえながら、ピーター・ドラッカーの言葉を「セカンドライフを生きるためのヒント」として再編集している。
「まえがき」や「目次」を読むだけでも、本書が思いつきではなく丁寧に構成されていることが、十分伝わってくる。
温室から外に出るということ
大切なのは、今すぐ温室から外に出て、行動を始めることです。プールサイドで「平泳ぎの泳ぎ方」の本をいくら読んでも、泳げるようにはなりません。(259ページ)
読了後、とりわけ腑に落ちたのがこの一節である。
いうまでもないが、畳水練では意味がない。行動しなければ、何も始まらない。それをどれだけ実感しているだろうか。「分かっているけど。。。」という人が多いような気がする。
それでも著者は「今すぐ会社を辞めて独立しろ」と煽っているわけではない。そうではなく「外の世界を知ろう」と静かに促している。
その言葉の温度に、著者の誠実さがにじみ出ているように感じられた。
僕自身の小さな実感
私ごとで恐縮であるが、50代も折り返しを過ぎ、会社でのポジションも今が上限だと実感した。脚の故障もあって60歳を区切りに、会社勤めよりも自由度の高い仕事をしたいと思っている。
それならばと、趣味を生かすカタチで、書籍の情報発信や文房具の集まり、ペン習字や書道など、少しずつ会社の外の世界に触れてきた。
しかし、まだまだフリーランスとして仕事を受ける段階には至ってはいない。けれども、会社の名刺が外れたら、自分の能力はどう評価されるのかを、思い知ったことは大きな収穫だった。
おわりに ──「まだ間に合う」ではなく
時間配分の見直し、強みを活かした人格形成、再教育への自己投資──本書が投げかける問いは、定年後の生活が迫りくる50代だからこそ、どれも現実味を帯びてくる。
昭和的な語り場で過去の栄光を語るよりも、これからの時間をどう使うかを考えたい。そのための材料として、本書から得れるものは非常に実践的である。
読み終えて感じたのは「まだ間に合う」ではなく「今から始めないと間に合わない」という感覚だった。60代になっても動ける人でいたい。定年後も自分らしくのびのび生きたい──そう願う50代にとって、本書は確かな刺激になるだろう。
すべての50代に自信をもってオススメできる良書である。
謝意
なお、今回レビューした書籍『50代からの人生をマネジメントするドラッカーの問い』(鵫巣和徳著/ソシム)は、参加中のプロジェクト「ツナグ図書館」を通じて、出版社「ソシム様」よりご恵贈いただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
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