はじめに|なぜこの本屋に行ったのか
「戦争反対 NO WAR」
その言葉を発信する本屋があると知った。それが、大船にあるポルべニールブックストアだった。

また、同店のWebサイトにあった「2025年年間販売冊数ランキング・トップ20」のコメントにも惹かれた。
世界が全体主義に傾いてゆく風潮に抗い、それぞれの「個」を大事にする「支配構造からフリーで、誰もが生きやすい“風通しのいい”世の中を目指す」当店の考えに沿った本がほとんどで、当店の特徴が更に強まった印象です。(ポルべニールブックストア Webサイトより)
ここまで明確に思想を打ち出す本屋があるのか。そう思ったときには、もう足が向いていた。
小さな書店に行こうと思った背景
その理由はこちらのnoteに綴っています。あわせてご覧ください。
実際に行って感じたこと|紙の匂いが残る空間で
店に入った瞬間、空気が違った。紙の匂いが漂っている。
そして明るい。静かで、けれど閉じていない。外の世界とゆるやかにつながっているような、不思議な感覚だった。
棚には、いわゆる“売れ筋”だけではない本が並んでいる。反差別、戦争の歴史、社会の病理を告発する本。あるいはメッセージ性の高い文学作品。簡単に消費できない書籍が並んでいる。

その並び方を見ていると、「この店は何を大切にしているのか」が、言葉を使わずに伝わってくる。こういう場所では、本は商品である前に“思想の仲介者”になる。
「品揃えの量」ではなく「書籍の質」で圧倒される。そんな書店だった。
購入した2冊の意味|なぜこの本だったのか
今回購入したのはこの2冊。
- 『遺骨と祈り』(安田菜津紀著/産業編集センター)
- 『みんなこうして連帯してきた』(ジェイク・ホール著/柏書房)


メディア出演されている安田菜津紀さんの本は決め打ちでいった。さらに、同店の年間ランキング1位という情報からも、ぜひ読みたいと思っていた。
そして2冊目は、このポストが決め手になった。
このポストを見たとき、「この店は本を売っているのではない」と感じた。“何を届けるか”を明確に持っている。その意思に触れて、この本を手に取った。
どちらも軽く読める本ではない。むしろページをめくる前から読むのには覚悟がいると伝わってくる。そして、自分の立ち位置を問うてくる。
沖縄、福島、パレスチナ。そして社会との連帯。
遠い場所の出来事として語ることはできる。けれど本を開いた瞬間、それは“自分とは無関係ではない何か”として迫ってくる。
正直に言えば、社会に対して自分には何もできない。差別や困難に直面する人も一人として救えていない。それでも困難に直面する人を「踏みにじる側」なることを拒否することはできる。
読書とはそういう静かな決断を、積み重ねる行為なのかもしれない。
店主との接点|本屋で人とつながるということ
会計の際、店主の方に声をかけた。
「ブログで書評を書いています」
少しだけ言葉を交わし、名刺を交換した。それだけのことかもしれない。けれど、自分が“読む側”から“関わる側”に一歩踏み込んだ瞬間だった。
書店は、本を買う場所であると同時に、人とつながる場所でもある。誰が本を選び、誰が手に取り、誰がそれを言葉にするのか。
その循環の中に、自分も少しだけ関わることができた気がした。
おわりに|「いい本屋」とは何か
帰り道に考えた。「いい本屋」とは何なのか。
品揃えの豊富さでも、立地でもない。そこに“意思”があるかどうかだと思う。
何を置くのか。何を届けたいのか。その静かな選択の積み重ねが、「本とつながる場所」をつくる。そしてその場所に、人が集まり、本を通じてつながっていく。
ポルべニールブックストアは、そういう場所だった。

今回購入した2冊を読み終える頃、また訪れたいと思う。
次は、どんな本に出会えるだろうか。
ポルべニールブックストア|店舗情報(公式サイトより)
店名:ポルベニールブックストア(Porvenir Bookstore)
住所:〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船3-4-6 清水ビル1階D
JR・湘南モノレール大船駅東口より、商店街を抜けて徒歩6分。

※訪問前に最新情報は公式サイトをご確認ください。
営業時間
平日:10時半~12時/13時~19時
土曜:10時半〜19時
日祝:10時半〜18時
※平日のみ12時~13時はシエスタ(お昼休み)
定休日
火曜(定休。祝日の場合は営業し原則翌日を休日)
水曜(不定休 ―原則休み。繁忙期は営業の場合もあり)
お盆、年末年始。
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