【イベントレポート第一弾】文具マーケットに熱くなる人々──書く文化の“いま”を体感してきました‼️

文具マーケットのフロアマップ上に置かれたプラチナ#3776センチュリーと木製ペンレスト イベントレポート
【イベントレポート第一弾】文具マーケットに熱くなる人々─「文具が好き」を体感してきました‼️

文具が、いま“静かにアツい”

「ねえ、これ買ってもいい?」
そう言って親御さんの袖を引っ張る、女子中学生の声が聞こえてきました。

5月18日(日)東京・蒲田「大田区立産業会館PiO」で開催された第8回 文具マーケット。
晴れた週末、僕が訪れたその会場は、文具をめぐる“ちいさな物語”であふれていました。

手にした木軸ペンをうっとりと見つめる男の子、
ガラスペンの試し書きに夢中になっている女の子、
その隣でスマホ片手に値段をそっと確認するお母さん──。
彼らは皆、休日のリラックスした雰囲気ながら、どこか誇らしげに見えました。

年齢も性別も関係ない。
純粋に「文房具が好き」という想いだけで、
これだけ多くの人が同じ空間に集まっていることに、僕は静かに感動していました。

文具は単なる道具じゃない。
それは、ひとりひとりの“好き”を形にするツールであり、
学びのスタート地点であり、ときに日常をちょっとだけ豊かにしてくれるもの。

このレポートでは、そんな現在進行形の文具カルチャーの空気感を、現場で感じたままにお伝えしていきます。

「文具って、やっぱりいいな」──そう思っていただけたら、うれしいです。

文具マーケット会場の入り口と展示ブースの様子
イベント会場入り口付近でのスナップ。プレミアム入場の観客で賑わう会場の様子。

文具マーケット、いざ会場へ

入場開始──まだ静かな空気のなかで

僕が会場に到着したのは、プレミアムチケットによる先行入場が始まった直後の11:15頃。
この時点ではまだ“メッチャ混み”というほどではなかったものの、すでに会場は6割ほどの入り。
出展者も来場者も、どこか期待に満ちた空気をまとっていて、じんわりと高揚感が広がっていました。

12時半、一般入場のラッシュが始まる

12:30から一般入場が始まると、一気に場内が賑やかに。
お目当てのブースへ一気に向かう人、手帳を見比べている人、Xで話題の商品を探している人。
まるで大型ライブの物販列のようなエネルギーが、文具を中心に生まれている。
──この熱、やっぱり本物だと感じました。


みんな、何を求めて来たのか

「自分だけの文具」と出会うために

印象的だったのは、
中高校生と思しき子たちが、迷いなく“いいもの”を選び取っていたこと。
ガラスペン、木軸ペン、限定ノート……
おじさんの僕がためらうような”いいお値段”のものを、
まるでアイドルグッズを買うかのように手に取っていました。
それは単なる“消費”ではなく、「これが好き」と表現する行為だったように思います。

親子でシェアする“好き”という気持ち

「買ってあげるよ」ではなく「一緒に選ぼうか」──そんな親子の姿も多く見かけました。
文具を通じて、世代を超えた対話や発見が生まれている。
文具って、やっぱり素敵なコミュニケーションツールなんだなと実感しました。


売れていたのは、こんな文具たち

ガラスペン、木軸、手製ノート──いま注目のアイテム

イベントで人気を集めていたのは、素材や使い心地にこだわった「一点もの」感のある文具たち。
たとえば木軸ペン、手製のレターパッド、限定カラーのガラスペンなど。
手に取った瞬間「欲しい!」と直感できるアイテムが、ちゃんと売れていました。

見せ方で勝負!POPとSNSが客を呼ぶ鍵に

商品自体の魅力に加えて、目立っていたのは「見せ方」の工夫。
POPのセンス、ロゴ入りディスプレイ、そして事前のSNS投稿。
会場の混雑度に比例するにつれて、差が出ていたのは事前の“仕掛け”ができているかどうか、だったように思います。


文具は“体験”で選ばれる時代へ

香りと手触りを持ち帰る──香木のペン立て

今回もっとも僕の心を掴んだのは、「ふぉれすと木工房」さんの香木製ペン立て。
実はこれ、前回の文具マーケットで買ったんですが………。
家で使ってみたら想像を遥かに超える良さだったんです。湿度の高い時期に部屋中に漂うウッディで爽やかな香り。それがあまりにも心地よく、今回はリピート購入しました。

香木製のペンレスト2点。奥も同じく高木製 ペン立て。仕上げ用艶出しオイルを塗って完成した。
ふぉれすと木工房さんのワークショップでの一枚。サンドペーパーを施したペンレスト2点に”ツヤ出しオイル”を塗る。写真の奥に見えるアイテムも香木製のペン立て。

やすりがけワークショップで気づいたこと

今回はなんと、ペンレストの“やすりがけ”を自分で体験できるワークショップまで。
触れて、削って、オイルを塗って。
手を動かして仕上げたアイテムには、自然と“愛着”が宿ります。
文具はもう「買う」から「作る・味わう」の『作り出す体験』へ──そんな転換点にいるのかもしれません。

このペン立てとの出会いを語ったエッセイ

このペン立てとの出会いにはちょっとしたエピソードがあるんです。
それをnoteで書いています。今回の記事と合わせてご覧ください。

🔗書斎に香る、あの日の記憶──香木のペン立ては「いいね!」の巻
<ハスヌマゴロー(蓮沼五朗)発信のnote>

「語る」文具たち──ポッドキャストの新しいかたち

会場で出会った『ブングスキーラジオ』

そしてイベントスペースでは、文具ポッドキャスト番組「ブングスキーラジオ」の公開収録が行われていました。なんと僕も、「THINK INK NOWを立ち上げた理由」「万年筆との出会い」について語らせてもらえることに。

ブングスキーラジオの紹介フライヤーと出演者の写真
会場で公開収録された文具系ポッドキャスト『ブングスキーラジオ』

「文具のある生活」が声でつながっていく

この番組のいいところは、“文具が好き”って想いを、声で届けてくれるところ。
製品のスペックや価格ではなく、「なぜこれが好きか」「どう使ってるか」といったストーリーが語られることで、まるで“友達との会話感覚”で楽しめます。これも文具文化の新しい形だと思いました。


あの日、文具熱は続いていた

丸善oazoで #3776 センチュリーを衝動買い

そんな、イベントの余韻に浸りながら記事のネタ作りにと向かったのは、東京駅近くの丸善 oazo。
ここの3Fにあるレンタルスペースでは、パソコンを使っての作業が出来るんです。
フリーランス志向を持っている僕はそんなのに憧れてましてね。

その前に4階の文具売り場を”定点観測”。

そこで待っていたのは、深いブルーのペン軸が輝く”プラチナ万年筆「#3776 センチュリー」”
販売スタッフさんから発せられた「来月から8,000円値上がりしますよ」の”キラーフレーズ”にダメを押され、気づけば財布からクレカを取り出していました(笑)。

丸善で購入したプラチナ万年筆#3776 センチュリーの全体像
ショーケースに並んだプラチナセンチュリー#3776のカラーバリエーション。「来月値上がりしますよ」の一言で即決。今回はブルーをチョイスした。

「買ってよかった」と思える1本との出会い

帰宅して香木のペンレストにそっと置いてみたとき、
あまりにしっくり馴染んでいる姿に、「これは運命だったんだ」とすら感じてしまいました。
こういう偶然の出会いもまた、文具好きの醍醐味です。

香木のレストに置かれた#3776 センチュリーの正面俯瞰カット
やすりがけ体験で仕上げたペンレストと、運命的に出会った万年筆「プラチナ センチュリー#3776 ブルー」の組み合わせ。見事にマッチしているな。
#3776 センチュリーのペン先(14K)をクローズアップした写真
プラチナ万年筆 センチュリー#3776 14金 ペン先のクローズアップ写真ーしなやかに、力強く書き出す。

まとめ──やっぱり、文具はおもしろい

「書く」ことが、こんなにワクワクするなんて

手帳、万年筆、ガラスペン、ノート──
会場を歩きながら、何度も「これもいいな」「あれも使ってみたいな」と心が躍りました。
思えば、こんなにワクワクしながら“道具”を見たのは久しぶりかもしれません。

次は6月の文具女子博、そして次回9月の文具マーケットへ

文具の世界は、決して一度きりの“お祭り”では終わりません。
2025年6月26日(水)〜29日(土)には「文具女子博(東京・有明)」が、
そして次回「第9回 文具マーケット」は9月13日(土)に開催予定
とのこと。
(告知フライヤー参照)

第9回 文具マーケット(2025年9月13日開催)の告知ポスター
次回は2025年9月13日(土)開催予定。オリジナル文具好きは要チェック!

また“あの熱気”に出会える日が楽しみです。
THINK INK NOWは、引き続き”現場の空気感を丸ごと”お届けしてまいります。


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