カスタムURUSHI徹底レビュー|パイロット最高峰万年筆 30号ニブと漆軸の書き味とは?

万年筆・ボールペン

カスタムURUSHIとは?

パイロットが誇る最高級ライン、それが「カスタムURUSHI」です。その最大の特徴は、14金30号という超大型ニブを搭載していること。一般的な万年筆ではなかなか味わえない、ダイナミックで豊かな筆記体験がここにあります。

また、名前に冠された「URUSHI」が示す通り、軸には本漆が塗り重ねられ、黒の深みとしっとりとした艶が手にしっかりと伝わってきます。筆記具というより、もはや“書く道具の芸術品”といえる存在です。

カスタムURUSHIの全体像。漆の艶やかさと堂々たる存在感が一目で伝わってくる。
パイロットが誇る14金30号ニブ。大きさとしなりの絶妙なバランスが書き味に現れる。

筆記感を支える30号ニブの魅力

柔らかくしなやかな筆圧の変化

この万年筆を語る上で外せないのが、やはり14金30号ニブの書き味


筆圧に対してしっとりと応えてくれる感触があり、「書くこと」が心地よいリズムになります。とりわけ、ペン習字に使うと、字が自然と整い、線に感情が宿るような感覚さえあるのです。

筆記時に感じる“しなる喜び”と“音”

書くたびにわずかに「しなる」感触と、紙の上を滑るときに生まれる独特の「音」。これは他の万年筆にはないカスタムURUSHIだけの特別な体験です。文字と向き合う時間が、どこか瞑想的な時間にも変わっていきます。

しなるニブが筆圧の変化を細やかに捉え、書くたびに文字に表情が生まれる。

漆塗りボディがもたらす質感と美しさ

黒漆の艶と手のひらに馴染む太軸

手に取った瞬間、まず驚くのがその艶やかさ。黒漆は光の加減で微細に色を変え、まるで夜の湖面を思わせるよう。太く重厚な軸ですが、漆ならではのぬめりある質感が指に心地よく吸いつきます。

大きく重厚なボディながら、手に馴染むフィット感。書く喜びは、持った瞬間から始まっている。

大型でも長時間書けるバランスの妙

確かにサイズは大きい。でも、不思議なことに長時間の筆記でも疲れにくいのです。
ペン全体のバランスが緻密に計算されており、筆記時に余計な力を使わず済むため、むしろ楽に感じる場面も多いです。

実際に使って感じたポイント

日常筆記に使えるのか?

ここまでくると、「観賞用じゃないの?」という声もあるかもしれません。


でも実際は、日常的に使える性能を持った実用品です。キャップの開閉も滑らかで、インクフローも安定。メモ書きから手紙、日記まで幅広く使っていけます。

他の万年筆との比較

たとえば、ペリカンの「M800」と比べると、カスタムURUSHIはより“感触”にフォーカスした万年筆だと感じます。

ペリカンの滑らかさと力強さに対し、こちらは繊細さと筆圧の表現力が抜きん出ています。また、同じパイロットの「カスタム845」と比べると、URUSHIの方がより重厚で存在感があります。

同じ高級万年筆でも個性はさまざま。比べることでカスタムURUSHIの存在感が際立つ。

どんな人におすすめか

初めての高級万年筆としてはどうか?

決して安い買い物ではありませんが、「一生ものの一本が欲しい」という方には強くおすすめできます。特に、筆記の時間そのものを大切にしたい方には、この万年筆はきっと応えてくれるでしょう。

ペン習字、書写、書くことを愛する人へ

カスタムURUSHIは、書く行為を「表現」にまで引き上げてくれる道具です。ペン習字の練習や、手紙や日記など、手書きの文化を楽しむ人にとっての最高の到達点だと感じます。

ペン習字にも最適なカスタムURUSHI。柔らかさとキレのある線が自然と整っていく。

まとめ|「書くこと」が特別になる万年筆

パイロット「カスタムURUSHI」は、ただの万年筆ではありません。それは書く人にしか分からない、静かなる悦びのための道具です。

30号ニブの豊かな表現力と、漆の美しさ。

これらが手に馴染んだとき、きっとあなたの中の「書く」という行為に革命的な変化をもたらすことでしょう。

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