この記事を書く呼び水となった、日経クロストレンドの記事
この記事を執筆するに至った動機は、日経クロストレンドの掲載記事:油性ペン「マッキー」がキャラ化が呼び水となった。
機能としてはほとんど完成している油性マーカーに、あえて“新しい意味づけ”を与えようとするその試みは、非常に完成度の高いブランド戦略のケーススタディだった。
その記事を読みながら、僕の中にあった「マッキー=絶対に書ける」という体験が再浮上し、UXの本質について思いを巡らせたのが本稿の出発点である。
「書ける」は約束──マッキー体験が証明するUXの原点
「マッキーなら、とりあえず書けるでしょ。」

この一言に、すべてが詰まっている。筆記具の性能を検討するでもなく、使用環境を確認するでもない。
「とりあえずマッキー」という“思考停止”こそが、UXとしての完成形なのだ。
プロダクトに対する絶対的な信頼が根づいているとき、人は比較しない。迷わない。検証しない。
それは言い換えれば、“ブランドがユーザーの思考の外側にまで浸透している”状態だ。
その信頼を、マッキーはどうやって築いてきたのか。
実はそこに、今の時代におけるUXとブランドの深いつながりが隠されている。
ダンボールでも、体操服でも、ガムテープでも──“信頼される筆記感”のリアリティ
誰もが一度は、ありえない場所に文字を書いたことがあるはずだ。
雨で湿ったダンボール。
運動会前の子どもの体操服。
ガムテープで封をした荷物の宛名。
「これ、書けるのかな?」と不安になりながらマッキーを取り出し──
スーッと黒く、力強く線が残った瞬間に、胸を撫で下ろした経験。
それこそが、マッキーのUXだ。
マッキーは「高機能な筆記具」ではない。
“書ける”ことが前提にある道具なのだ。
この前提が崩れない限り、マッキーは「次の選択肢」とならない。
いつだって、「まず最初に選ばれる一本」であり続ける。
「とりあえずマッキー」の思考停止こそ、UXの完成形
マッキーを選ぶとき、人は比較検討をしない。
「●●と●●のどちらが優れているか?」という市場原理が、ここでは一度ストップする。
なぜなら、マッキーのブランドは“体験の記憶”としてすでに脳内に定着しているからだ。
これは単なるリピート購買ではない。
もっと深く、身体に染みついた“安心の選択肢”である。
この「迷わない選択」を可能にするのが、ブランドが提供するUX──
つまり“使った結果としての信頼感”が積み重なって生まれる、感覚的な納得”である。
UXとは、デザインやインターフェースだけではない。
使い続けたくなる理由が、無意識のなかに宿ること。
マッキーはそれを、何十年もかけて積み上げてきたのだ。
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