ブランドは「意味の積層」でできている──この記事では、個人メディアTHINK INK NOWの実践をもとに、ブランドとは何か、どう育てていくものかを考察します。山口義宏氏の定義「識別記号と知覚価値の結びつき」にも触れながら、独自のブランド論を展開します。
はじめに:「意味の層」としてのブランド
ブランドとは何か?
その問いに、明快な視点を与えてくれる言葉がある。
『デジタル時代の基礎知識 ブランディング』(山口義宏 著)では、ブランドをこう定義している。
ブランドとは「識別記号と知覚価値が結びついたもの」です。たとえ圧倒的に優れた性能の商品を作ったとしても、消費者が存在を知らなかったり、「性能が優れている」と認識してもらえない限り選ばれません。
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この言葉が示すように、ブランドとは単なるロゴやデザインの話ではない。
それは「存在を知ってもらうこと」、そして「その価値を認識してもらうこと」によって初めて成立する──つまり、ブランドとは「伝わる意味」であり、そして「認知される価値」の積み重ねなのだ。
だからこそ、僕はこう考えている。
ブランドとは、積み重ねられた「意味」の層(レイヤー)である、と。
ロゴや配色、キャッチコピーといった目に見える要素ももちろん重要だ。
でもそれ以上に、ブランドとは「日々の発信」や「読者との小さな交流」の積み重ねのなかで、ゆっくりと育っていく“意味の蓄積”なのではないか──そんな風に僕は感じている。
THINK INK NOWという小さなブランドの歩み
僕がこのブログ「THINK INK NOW」を始めたのは、ただの文房具好きが高じたことがきっかけだった。
最初はレビュー記事をひとつずつ積み上げていくシンプルな運営だったが、次第に「理念」や「世界観」を意識するようになっていった。
- “書くこと”は人生を豊かにする
- モノではなく”体験”としての文具
- ジャーナリングは思考のデザイン
そんなコンセプトが、自然と言葉になり、デザインになり、記事になっていった。
「Web運営日記」シリーズや、「メディア資料記事」もその一環だ。書くたびに、自分の中のブランドが少しずつ輪郭を持ってきた。
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ではもう少しブランディングに必要な要素を掘り下げてみよう。
世界観の一貫性
どんな記事にも、「THINK INK NOWらしさ」が通っているか。
これは、自分自身への問いでもある。万年筆のレビューも、展示会レポートも、Web運営記事も──それぞれ違うテーマだけれど、そこに共通する「トーン」があるかどうか。
写真の撮り方、配色、文章の温度感。
すべてが「その人らしさ」をかたちづくる要素になる。
読者との接点の積層
X、note、ブログ──メディアをまたいだ読者との接点もまた、大切な“積層”だ。
ある人はXで僕を知り、ある人はnoteのエッセイをきっかけにブログへたどり着く。
それぞれの場所で信頼が少しずつ積み上がっていく。
これは時間のかかる営みだけど、だからこそ価値がある。
ブランドを「語れる言葉」を持つ
ブランドは、言葉にできて初めて力になる。「THINK INK NOWって何のサイトですか?」と聞かれたとき、僕はこう答えるようにしている。
“書くことの豊かさ”を、文具や文章を通じて伝えていくメディアです、と。
こうした“語れる言葉”を持つことは、発信を続けるうえで自分の軸になるし、外部との接点でも信頼をつくる支えになる。
個人メディア運営におけるブランドの価値
ブランド意識が芽生えてから、僕の中で記事を書くモチベーションも変わった。
「今日書いた1本が、THINK INK NOWのブランドを形づくる一部になる」──そう思うだけで、何気ない1記事にも意味を感じられるようになった。
また、最近では企業からの協業提案や取材対応の機会も増えてきた。そうした場面でも「自分のブランドを言葉にして伝えられること」は、大きな信頼につながっていると感じている。
おわりに──今日も小さな「積層」を重ねていく
ブランドとは、突然できあがるものではない。
今日書いた1記事、今日誰かと交わした一言のコメント──そのひとつひとつが、意味の層となって積み上がっていく。
THINK INK NOWという個人メディアも、まだその途上にある。
これからも「積層するブランド」として、少しずつ歩みを進めていきたいと思う。
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